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​絨毯の産地

​イランの国土面積は日本の約4倍あり、そこに多くの民族が住んでいます。

 

土地が変われば、材料である毛の質、毛を洗う水の質、受け継いできた模様の柄、織り方等、絨毯に関するすべての事柄が異なり、産地ごとに様々な特色があります。

​その中でも5大産地と呼ばれる産地が、タブリーズ、クム、カシャーン、ナイン、イスファハンです。

他にも「鉄の絨毯」と称されるほど強固に織る産地ビジャーであったり、ペルシャ絨毯の中でも遊牧民の方が織られる「ギャッベ」の産地シラーズがあったりします。

ここでご紹介するのは上記の8つの産地ですが、ホームパークでは自分たちの脚で探し出した他にも優れた産地の絨毯を取り扱っております。それぞれに特色があり、どれが良いとか悪いとかではなく、好みに合った絨毯を選ばれてください。

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 قم​ Qom,Ghom クム(ゴム)

クムはシルク絨毯の有名な産地です。

​絨毯の産地としての歴史は比較的新しく、シルクの絨毯が製造され始めたのは20世紀からです。カシャーンの職人から技術が伝えられました。

気候的には砂漠気候になりますが、井戸を掘れるため、水を確保しやすく、120万人が暮らす都市となっています。近くに湖があり、塩分が含まれていることから、シルクを洗うことに優れており、シルク絨毯が発展しました。

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کاشان Kashan カシャーン

昔から陶器など伝統工芸品の街として知られていました。絨毯産業が発展したのは17世紀ごろからと言われ、一度衰退しますが、19世紀頃にはイギリスから輸入したメリノウールを使用したマンチェスターカシャーンと呼ばれるものも作られるなど、伝統を残したいという気持ちが強い街です。

カシャーン産に関しましては、ホームパークではコルクウール(羊の喉元の毛)を使用した絨毯だけを取り扱っております。

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اصفهان Isfahan イスファハン

​砂漠地方にはありますが、近くに川が流れ、灌漑用、運河用水路を発達させ、150万人が暮らす都市です。古代より栄えた街で、かつてはイランの首都とされていました。当時は王宮があり、献上品としての絨毯を作る工房が設けられ、絨毯の技術は磨かれていきました。

​経糸にシルクを用いて、非常に目が細かく、繊細で優雅なデザインの絨毯が多いです。

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نائین Nain ナイン

​砂漠のオアシスにある人口75,000人ほどの街です。絨毯の産地としては非常に新しく1,920年代頃に絨毯製造が始まったとされています。製造技術は近くのイスファハンから伝わった為、伝統的なメダリオン模様が多いです。シンプルな配色で、取り入れやすいデザインです。​

撚る際の糸の本数によって、4La(チャハラ),6La(シシラ),9La(ノーラ)と単位があり、数が少ないほど一本の糸の細さが細くなるので、目の細かい絨毯を織ることが出来ます。

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کرمان Kerman ケルマン

砂漠にあるオアシス都市として古くから交通の要衝として発展してきました。絨毯の歴史も古く、ケルマンで発見された最古の絨毯は約500年前のものとされています。

​砂漠で暮らす中での、願いや憧れとして、花柄の物が多く、華やかな印象の絨毯なので、ヨーロッパでは特に好まれていました。

​糸にしてからではなく、毛の状態で色を染めるという特徴もあります。

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تبریز Tabriz タブリーズ

​イラン北西部にあり、アジアとヨーロッパを繋ぐ交易地として3世紀頃から栄える都市です。

絨毯は伝統的なマヒ柄をはじめ、フラワー(花柄)、額絵、形状でいえば、円形、楕円形の絨毯も作るなどバラエティーに富んでいます。

重厚な色合いのタブリーズ産マヒ柄絨毯は、日本の和室にも良く合います。

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بیجار Bijar ビジャー

人口50,000人の小さな年ですが、「鉄の絨毯」と呼ばれるほど強固な絨毯を織る主要な産地です。昔ながらに家族で工房を構えるところが多く、現代でもその伝統は受け継がれ、非常に頑丈な絨毯を作っています。

深い紺色とえんじ色でクラシックな雰囲気があります。

現代では織られていませんが、ビジャーの中にマラランという地区があり、マヒ柄の最高品質と言われていました。

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شیراز Shiraz シラーズ

遊牧生活をするカシュガイ族やルリ族の女性達は厳しい自然環境の中で代々ギャッベやキリムを織り続けてきました。手紡ぎした羊毛を天然染料で染め、自らの感性で織られている絨毯もあります。伝統的な模様で糸杉や想像上の樹木に色鮮やか花々やたわわに実る果実、羊や山羊、鳥などを織り込んだtree of life【生命の樹】と呼ばれる模様が有名です。生きる喜びや長寿、祈願、子孫繁栄の想いを込めて作られている絨毯もあります。ペルシャ絨毯の原点とも呼べるかもしれません。

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