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ボーンチャイナ
ボーンチャイナと呼ばれる乳白色のなめらかな焼き物は、18世紀ごろにロンドンで発明されました。ボーンは「骨」の意で、その当時のイギリスでは中国磁器で多用された白色粘土が入手困難であり、代用品として牛の骨灰を陶土に混ぜて製作したためです。中国磁器にあやかって、ボーンチャイナと呼ばれるようになりました。かつては他の骨よりもリン酸カルシウムを多く含む牛の骨灰のみが添加されていましたが、近年では骨灰を使わずに直接骨リンを用いる方法もあります。焼結前は灰色をしており、焼結することにより乳白色へと変化します。
一般磁器に比べ、素地が薄いにもかかわらず、チッピング強度(渕強度)が強いです。骨灰を使用することにより、乳白色の温かみのある下地になり、ランプ製品に使用されるくらい透光性も出てきます。
また、ボーンチャイナは特殊な釉薬を使用するため、2次焼成を低温で行います。そのため、高温下において褪色する顔料を使用することができ、当時主流であった白磁器よりもより多くの色彩を演出することが可能でした。このため、手間をかけて作られたボーンチャイナには美しい絵や微細な模様が刷り込まれていることが多く、ロイヤルアルバート社製のボーンチャイナは最たるものです。
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