ロイヤルアルバート
1896年にトーマス・ワイルドとトーマス・クラーク・ワイルド親子がストーク・オン・トレントにおいて創業。ブランド名は創業者が英国王室を愛するがゆえに、ヴィクトリア女王の夫アルバート公と女王夫妻の孫アルバート・ジョージ王子(のちのジョージ5世)にちなみ「アルバート」と名付けられました。
ヴィクトリア女王即位60周年記念の記念品を依頼され、1904年に皇室の意味をもつ「ロイヤル」の称号を得ます。王室御用達の名にふさわしいハンドペイントの素晴らしい製品を作り上げ続けている一方、一貫してリーズナブルな価格のボーンチャイナを提供しています。
1962年に「オールド・カントリー・ローズ」を発表しました。イギリスの国花であるバラの花柄を古典的に描いた誰にも親しまれるデザインが人気を呼び、世界的なベストセラーとなります。また「オールド・カントリー・ローズ」は「モントローズシェイプ」と呼ばれるシェイプを採用し、金彩の施しは筆を使わずに、ロイヤルアルバート独特の技であるスポンジパットで、ぼかして彩っています。
「オールド・カントリー・ローズ」において用いられる「モントローズシェイプ」は、紅茶を最もおいしく飲むために設計されており、上半分が横に向かって広がっています。これは紅茶はコーヒーと違い、できあがり時の温度が非常に熱いことから、紅茶の表面積部分を稼ぎ、速く冷まして飲むためです。また、モントローズの下半分はウエストから丸くふくらんでおり、この部分の対流で紅茶の温度とうまみを保てるようになっています。高台(スカート)は、ついている物が正式なタイプ、ついていない物が略されたカジュアルなタイプと評されるが、機能的意味もあり、モントローズのように高台がついていると、ソーサーから直接熱が奪われにくくなり、これも非常に重要な役割を担っています。