History of
Persian Carpet
一説では、現存する世界最古の絨毯はペルシャ絨毯と言われています。ロシア連邦南方のアルタイ共和国にあるパジリク遺跡で発見されたものです。その地域の名前を取り、パジリク絨毯と呼ばれています。
永久凍土の中に埋まっており、偶然にも非常に良い状態で保存してあったので発見できた非常に稀なケースです。現代の測定法では、紀元前三世紀頃、つまり2,400年以上前のものだと考えられております。
こちらの絨毯は厳密に言えばペルシャ絨毯とは断定されていません。しかし、トルコ結びで織られていること、装飾が古代ペルシャの文様であることから、ペルシャ絨毯と関わりが深いことは間違いありません。
ペルシア絨毯としての最初の記録は古代中国のもので、224年から651年のサーサーン朝ペルシア時代の記録です。この頃から絨毯は王室献上品として、非常に豪華で優雅な敷物として作られていました。
7世紀にイスラム教圏となるまで、ペルシアでは様々な王朝が勃興、衰退を繰り返し、ペルシア絨毯にも多くの変化がもたらされましたが、ペルシア絨毯の生産は途切れることなく続いていました。その後、13世紀のモンゴル帝国によるペルシア侵攻によって、ペルシア絨毯は一時期衰えていましたが、イルハン朝ペルシア、ティムール朝ペルシアのもと、ペルシア絨毯は再び発展してくことになります。
しかしながら、実際には天然素材で織られるペルシャ絨毯は経年によって風化し、そのほとんどが現在まで残ることはありません。発見できたとしても、断片ばかりで、絨毯の研究は進んでおらず、12世紀以前のペルシャ絨毯がどのような特徴を持っていたかは分かっていません。
現代ではより安価に、そして大量生産できる機械織の絨毯もイラン国内で製造されています。ましてやヨーロッパでもペルシャ絨毯を模倣した絨毯を製造しています。機械織、ヨーロッパ製ともにクオリティは十分高いのですが、やはり本場イランで職人さんが丹精を込めて手で織った絨毯には及びません。そもそも伝統工芸品とは呼べない物です。
ホームパークでは現地に直接赴き、自分たちの目で選んだ手織りの絨毯だけを取り扱っております。
パジリク絨毯