織る
ペルシャ絨毯において、最も重要な工程である「織り」に進みます。2,400年以上前から受け継がれてきた織り方で、その基本形は変わっていません。伝統を守りながら磨きをかけ、現代まで受け継がれてきました。
ペルシャ結び
トルコ結び
ペルシャ絨毯と他の絨毯との最大の差は経糸の本数です。通常のパイル状織物の場合、1本の経糸にパイルを結び、そこに緯糸を織り込んでいくのですが、ペルシャ絨毯の場合だと経糸が2本あり、そこにパイルを結ぶので実質的には2回結んで1本のパイルが出来ます。そのおかげでパイルが倒れづらくなり、通気性、撥水性、耐久性などの様々なメリットをもたらします。メリットについて詳しくはこちらをご覧ください。
熟練の織子さんでも一日に5,000ノット(結び目)くらいだと言われています。例えば1.5m×1mの絨毯で、1㎡あたり100万ノットの絨毯を一人の織子さんで織るとなると、600日、すなわち二年弱かかります。
結び方
基本的な二つの結び方をご紹介いたします。ペルシャ結びとトルコ結びと言われていますが、その名の通りの地域で織られているわけではなく、同じ地方でも目的別に結び方を使い分けていることもあります。詳しくは産地のページをご覧ください。
パイルを経糸に1本のみ一巡させて、もう一方の経糸にゆるく引っ掛けます。細かく複雑な文様を表すのに適しています。
2本の経糸にそれぞれ外側から均等にパイルをくぐらせて、中央に引き出します。毛足を長くするのに適しています。最古の絨毯パジリク絨毯はトルコ結びです。
織り機
ダブルノット
シングルノット
緯糸を2本通すのですが、図のように一本を太い糸、一本を細い糸にすると張力差によって結び目が上下に重なります。裏から見ると結び目は一つに見えますが、実際には二重構造になっている為、ダブルノットと呼びます。絨毯に厚みが出て、耐久性に優れる構造です。ほとんどのペルシャ絨毯はダブルノットです。
ペルシャ結びは基本的にダブルノットになります。
当社で扱っている絨毯は基本的にはダブルノットです。
同じく緯糸を2本通しますが、同じ太さ、同じ強さで引っ張るため、結び目がそれぞれ裏面に出てきます。一重の構造なのでシングルノットと呼ばれます。一度の結びで、裏から見た時の結び目が二つできるので、同じ色が二つ並びます。絨毯は薄く、軽く作ることが可能です。トライバルラグに多く見られます。
上の画像はトルコ結びですが、トルコ結びでもダブルノットのものもあります。
水平織機
竪型織機
組み立てがしやすい為、移動しながら暮らしている遊牧民が使うことが多いです。
都市部では工房を構えて、竪型で織ることが基本的です。上からしっかりと叩ける為、目をしっかりと詰めることが出来ます。